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| 日時 | タイトル |
|---|---|
| 2024/05/08(水) 08:00 | MFBメンター通信:漱石の妻鏡子はなぜ「悪妻」と呼ばれたのか? |
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MFBメンター通信
漱石の妻鏡子はなぜ「悪妻」と呼ばれたのか?
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こんにちは。
人間力研究所 MFBメンターの
えにあひろ ことゆだひろかずです。
人間力研究所とは、
誰もがメンターという相談相手を持てる世の中づくりを目指し、
MFBメンターを育成している一般社団法人です。
私は性格分析の1ツール、エアニアグラム愛が高じてペンネームにしました。
今、Z世代の間ではMBTIタイプ分析がとても流行っているようで、
アメリカ、韓国と来て、そして日本でも人気に火が点きそうなんです。
私のクライアントさんからも「会社で受けました」と複数の方から報告がありました。
MBTIとは「マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標」の頭文字を取ったもので、50年の歴史があり、外向/内向、感覚/直感、思考/感情、判断/知覚の4つの指標に基づく16タイプの性格分析です。
4つの指標の定義はユングの「タイプ論」に由来するものです。
ユング心理学から影響を受けたという点ではエニアグラムと同じです。
MBTIが優れている点は、4つの指標の定義がはっきりしており、国際規格に基づく事です。
ただ、疑似科学的な自己申告型のアンケートに頼る点で、エニアグラムの信頼性への疑いと同じ欠点と限界があるのは事実です。
平たくいうと、どんなに精緻を極めた立派なツールでも最後はやはり使う人の自己分析力に関わってきます。
それこそ先ほどの8つの指標すべてを正しく理解し、自分自身と向き合う力がないと、真実の自分を知るのは難しいのです。
私のクライアントさんもほぼ全員が間違っていました。
「こうでありたい」理想のタイプか、「過去のダメな自分」のタイプを選んでおり、いわゆる学校秀才ほど自己分析が甘い傾向にあるようです。
せっかく優れた分析ツールを手に入れても隔靴掻痒で患部に手が届かないのでは、本当の自己成長に繋がりませんよね。
自分の性格を知る、まして他人の性格を知るのは至難の業です。
少なくても「自分の性格というフィルター」から物事を見、私達は他者をジャッジしているのだという事実に気付きがあるだけでも良しとしましょう。
さてさて、ではさっそく本題に入っていきましょう。
なんでも高校国語教科書への作品掲載数で、漱石は最多なんだそうな。
皆さんも「夢十夜」や「こころ」「草枕」で初めて漱石に出会い、「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」を自発的な興味から読まれた体験があるのでは?
今回のテーマの主役は漱石先生その人ではありません。
タイトルにあるように後年、なぜ鏡子夫人「悪妻説」が一人歩きしてしまったのか?
本当の夫婦仲はどうだったのか?
夫婦の真実に性格分析の立場から迫ってみたいと思います。
漱石死して早100年超(1916年に逝去)。
夫妻が生きた、情報の限られた明治・大正の昔ならいざ知らず、現在に至ってなお、文豪漱石の妻の「悪妻説」が未検証のまま伝承されている事態に愕然とします。
ゴシップジャーナリズムだけなら未だしも、アカデミズムの研究者達の間でさえ事情は変わらないから驚きます。
実はそこには「性格」の問題が横たわっていました。
私が調べてみたところ、鏡子夫人は誤解されがちな性格タイプの女性。
それに輪を掛けて漱石は変人で、ふたりの性格は天と地ほども違うんです。
(普通に出会っていたとしたら)このふたり、結ばれるどころか、むしろ天敵同士と言っていい。
鏡子悪妻説が世間を賑わしたのは、漱石の死後、10年以上も経ってから。
無論それには切っ掛けがありました。
13回忌の法要が無事に終わり、鏡子夫人が一冊の本を世に問います。
夏目鏡子述・松岡譲筆録「漱石の思い出」がそれです。
(松岡譲は漱石の長女筆子の夫、娘婿に当たる漱石門下の文人。)
その本の中には、「紳士的で穏やかな文豪」のイメージとは異なる、人間漱石の赤裸々な、ある意味醜悪な姿が映し出されていました。
「頭が変になると」癇癪を起こしては妻子に暴力を振るう夫の姿、夜中に子が泣くだけで怒り狂う姿、時には妄想や幻聴に捕まってしまい、猜疑心から妻の言動を勘繰り、妻を疑い、妻の実家へ離縁状を送り付ける事、二度三度などなど。
世間を驚かせるには十分スキャンダラスな内容でした。
そこで怒ったのが当時既に功成り名を遂げていたかつての漱石門下の弟子達でした。
中でも激しかったのは、晩年の漱石しか知らない、遠巻きにしか漱石を知らない人達からの非難でした。
「許すべからざる冒涜」
「死者に鞭打つとは何事か」
漱石を神聖視する余り、鏡子が夫に見合うだけの教養に欠ける「悪妻」と決めつけ、
漱石早逝の理由が、あたかも夫婦の諍いや葛藤にあるような勝手なイメージを広めてしまったのです。
(大正5年、漱石は50歳で逝った)
たしかにいくつかの「悪癖」があった事は、鏡子本人も本の中で認めています。
例えば、度を越した朝寝坊で(漱石は度々、朝食抜きで出勤した)、重いヒステリー症だった。(後年、自殺未遂説も出た)
これもやはり度を越した筆無精で、次女の出産間近で、
留守宅の安否を心配する漱石からの度重なる手紙に返信を出さなかったこと。
(英国留学中の漱石がノイローゼを発症した原因説になった)
さらに鏡子夫人への人格攻撃は止まる事を知らず、
もっと平たくいうと、いわく鏡子夫人は、
・気の利かない「きつい女」で、何事にも堂々と自己を主張しすぎる性格。
・「女なのだから」という美徳を持ち合わせていない。
・経済観念が希薄ゆえなのか、お金が入ると乱費してしまう。
・夫の仕事への無関心どころか、(作家として名を成してからも)夫の作品を理解しない世俗的な女で、夫の苦悩や芸術家の葛藤に無関心だった悪女云々。
これらを漱石研究者が鵜呑みにし、後世に語り継がれている説なので、当時の一次資料があるなら当たってみたいところです。
今回、夏目鏡子述・松岡譲筆録「漱石の思い出」と、漱石の自伝的小説「道草」を併せて、改めて読んでみましたが実にいろんな事実がわかります。
上述の鏡子夫人に対する「言われなき悪口」とも思われる記述から、エニアグラムが教える一つの性格タイプの典型が浮かび上がってきます。
日本文化の風土の中では、(当時の男尊女卑的な風潮や、知識人男性特有のミソジニー、
そして作家の妻は「良妻賢母」であるべしという男の勝手な妄想を割り引いたとしても)
この性格タイプの女性に対する余りにステレオタイプな、よくある批判だからです。
(限られた肖像写真も参照すると)鏡子夫人は、おそらくタイプ8です(7寄りの8)。
そして、漱石その人は、おそらくタイプ5で間違いないと思われます(6寄りの5)。
さらにこちらの本能の違いの方が、日常生活上の夫婦関係にとってはより重要なのですが、
鏡子夫人は自己保存本能優勢型で、漱石は社会本能優勢型だと思われます。
つまり、鏡子夫人はタイプ8の自己保存型、漱石はタイプ5のソーシャル型と呼ばれる性格なのです。
もっと悪いことに、諸々のエピソードから察するに、漱石は自己保存が盲点で、鏡子夫人はソーシャル盲点だろうと見当のつく事です。
自分の優勢本能が盲点の相手は、そのテーマに関して酷くダメな人、子供じみた愚鈍な人、劣った人に見えて、
ジャッジや軽蔑の対象になるのは皆さん想像が付くだろうと思います。
ではこれらの持って生まれた性格タイプの違いが、夫婦間に一体どんな葛藤を生み出すのかというと。
鏡子夫人の性格タイプは、
地声が大きく、相手に届くまでしっかり、はっきり物を言うタイプ。
相手がホンネで言っているのか、忖度で言っているのか、常に見極めようとします。
(建前の会話は人生の時間のムダと思っている節がある)
人からは自信があり、パワフルで、タフな人に見えます。
ストレス下では強引で、支配的で、威圧的な圧力を感じさせてしまいます。
一方の漱石の性格タイプはというと、
冷静な話し方をし、得意な専門分野について話させると饒舌で、
微細を極め、(相手が無理解だと)時に激昂したり、
冷酷な扱いをしがちで、元来世間話、お天気話の類いは苦手です。
(鏡子夫人の思い出の記述にあるように)ふだんは落ち着いていて、穏やかで、理性的に振る舞います。
ストレス下では、突然無口になり、引きこもって、独りになりたがり、人を見下す攻撃的な傾向があります。
漱石のタイプが最も嫌うのが、人から干渉されること!
一方の鏡子さんは、何事にも手応えのある関係が好きで、ちょっとオーバーにいうとケンカが前戯のような、濃いコミュニケーションが大好きなタイプです。
夫婦の性格が水と油で、鏡子夫人の思い出には、新婚早々に、夫から通告されたり、釘を刺されたり、日常生活の中での夫婦の濃いコミュニケーションをすっかり諦めてしまった記述が随所に出てきます。
こちらのタイプも、相手にコントロールされるのを極端に嫌がります。
また依存関係に陥るのを嫌います。
鏡子さんタイプは、本能的直感に優れるので、反応が早く、経験に裏打ちされた考えや感情がはっきり明確で、批判を恐れません。
相手の弱点を突くのが上手で、相手の言い分が不明瞭だったり、裏打ちにかけると、「はぁ?」となったり、「それはあり得ない」といったリアクションを取りがち。
プライドだけ高い知識人の男性達、特に学生上がりの若い人達には内心敬遠され、誤解される可能性が高かったと思われます。
鏡子夫人はソーシャル盲点なのでさらに輪を掛けて、丁寧なコミュニケーションが苦手だったろうと想像が付きますし、
漱石は漱石でソーシャル優勢ゆえに、学校や学会、後の出版社や出版界での社交や、弟子の育成という本来不得意で、やりたくないことをやって、ノイローゼや胃潰瘍になるまでストレスを溜めたのではないでしょうか?
小説「道草」で描かれたような、幼少期の里子体験のトラウマ、複雑怪奇な人間模様に巻き込まれ、不得意な親族や親類筋との交際や、何よりも漱石の頭を悩ましたのは金銭の貸し借りや金銭のやり取り、生きる上での世過ぎ身過ぎなのでした。
漱石タイプの人には、この現実世界で生きて行くには「自分はもろく頼りない存在だ」という恐れの観念を持っているため、
なんとか生きる術を身に付けよう、熟達しなければ(破滅する)と自分を鼓舞します。
ソーシャル優勢型ならなおさらそうでしょう。
性格上の表面的には水と油の関係だった漱石夫妻でしたが、内面の関係性は外部からは伺い知れないくらい濃かったと思います。
20年の結婚生活の中で、お互いが精神上の自立を保ちつつ(どちらも寂しかったとは思われますが)、お互いの欠けたものを意識しつつ、相互に補い合う深い絆で結ばれた関係だったと思われます。
そうでなければ互いに愛想尽かしをしてとっくに別れていたでしょうし、7人の子供をもうけたりはしなかったでしょう。
鏡子夫人「悪妻説」はタイプ8の存在を知らない人達が、自己のタイプからの勝手な二重の投影から断罪した浅薄な人間理解の結果だというのが私の結論になります。
二重の投影というのは、漱石に理想の父親像を見、鏡子夫人に母親の否定面を転移した可能性が高いと思われるからです。
あるいは西洋かぶれの「ソクラテスの妻」の悪用に過ぎません。
最後に鏡子夫人の「漱石の思い出」から感動的な箇所を引用してみましょう。
「私が不貞をしたとか何とかいうのではなく、いわば私に落ち度はないのです。
なるほど私一人が実家へ帰ったら、私一人はそれで安全かもしれません。
しかし子供や主人はどうなるのです。
病気ときまれば、そばにおって及ばずながら看護するのが妻の役目ではありませんか。」
これは漱石のノイローゼによる暴力が酷かった頃、母親が心配して実家に戻るよう諭す手紙への鏡子の返事なのです。
もう一つ、これは倫敦滞在中の漱石の恋文を掲げて了とします。
「段々日が経つと国の事を色々思う。
おれの様な不人情なものでも頻りにお前が恋しい
これだけは奇特と云って褒めてもらわなければならぬ」
さて、人間力研究所には、様々な専門知識やスキルを持った
個性的なメンターが勢揃いしています。
クライアントとして、カウンセリングを受けるも良し、
セッションで癒されるも良し。
ぜひ、 あなたも一緒にメンターとして学び、活躍しませんか?
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ぜひお試しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
MFBメンター・ゆだひろかず
https://mfbmentor.com/official-enneahirokazu/
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東京都港区三田3丁目1―5 第1奈半利川ビル3階
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皆さんも「夢十夜」や「こころ」「草枕」で初めて漱石に出会い、「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」を自発的な興味から読まれた体験があるのでは?
今回のテーマの主役は漱石先生その人ではありません。
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本当の夫婦仲はどうだったのか?
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夫妻が生きた、情報の限られた明治・大正の昔ならいざ知らず、現在に至ってなお、文豪漱石の妻の「悪妻説」が未検証のまま伝承されている事態に愕然とします。
ゴシップジャーナリズムだけなら未だしも、アカデミズムの研究者達の間でさえ事情は変わらないから驚きます。
実はそこには「性格」の問題が横たわっていました。
私が調べてみたところ、鏡子夫人は誤解されがちな性格タイプの女性。
それに輪を掛けて漱石は変人で、ふたりの性格は天と地ほども違うんです。
(普通に出会っていたとしたら)このふたり、結ばれるどころか、むしろ天敵同士と言っていい。
鏡子悪妻説が世間を賑わしたのは、漱石の死後、10年以上も経ってから。
無論それには切っ掛けがありました。
13回忌の法要が無事に終わり、鏡子夫人が一冊の本を世に問います。
夏目鏡子述・松岡譲筆録「漱石の思い出」がそれです。
(松岡譲は漱石の長女筆子の夫、娘婿に当たる漱石門下の文人。)
その本の中には、「紳士的で穏やかな文豪」のイメージとは異なる、人間漱石の赤裸々な、ある意味醜悪な姿が映し出されていました。
「頭が変になると」癇癪を起こしては妻子に暴力を振るう夫の姿、夜中に子が泣くだけで怒り狂う姿、時には妄想や幻聴に捕まってしまい、猜疑心から妻の言動を勘繰り、妻を疑い、妻の実家へ離縁状を送り付ける事、二度三度などなど。
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中でも激しかったのは、晩年の漱石しか知らない、遠巻きにしか漱石を知らない人達からの非難でした。
「許すべからざる冒涜」
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漱石を神聖視する余り、鏡子が夫に見合うだけの教養に欠ける「悪妻」と決めつけ、
漱石早逝の理由が、あたかも夫婦の諍いや葛藤にあるような勝手なイメージを広めてしまったのです。
(大正5年、漱石は50歳で逝った)
たしかにいくつかの「悪癖」があった事は、鏡子本人も本の中で認めています。
例えば、度を越した朝寝坊で(漱石は度々、朝食抜きで出勤した)、重いヒステリー症だった。(後年、自殺未遂説も出た)
これもやはり度を越した筆無精で、次女の出産間近で、
留守宅の安否を心配する漱石からの度重なる手紙に返信を出さなかったこと。
(英国留学中の漱石がノイローゼを発症した原因説になった)
さらに鏡子夫人への人格攻撃は止まる事を知らず、
もっと平たくいうと、いわく鏡子夫人は、
・気の利かない「きつい女」で、何事にも堂々と自己を主張しすぎる性格。
・「女なのだから」という美徳を持ち合わせていない。
・経済観念が希薄ゆえなのか、お金が入ると乱費してしまう。
・夫の仕事への無関心どころか、(作家として名を成してからも)夫の作品を理解しない世俗的な女で、夫の苦悩や芸術家の葛藤に無関心だった悪女云々。
これらを漱石研究者が鵜呑みにし、後世に語り継がれている説なので、当時の一次資料があるなら当たってみたいところです。
今回、夏目鏡子述・松岡譲筆録「漱石の思い出」と、漱石の自伝的小説「道草」を併せて、改めて読んでみましたが実にいろんな事実がわかります。
上述の鏡子夫人に対する「言われなき悪口」とも思われる記述から、エニアグラムが教える一つの性格タイプの典型が浮かび上がってきます。
日本文化の風土の中では、(当時の男尊女卑的な風潮や、知識人男性特有のミソジニー、
そして作家の妻は「良妻賢母」であるべしという男の勝手な妄想を割り引いたとしても)
この性格タイプの女性に対する余りにステレオタイプな、よくある批判だからです。
(限られた肖像写真も参照すると)鏡子夫人は、おそらくタイプ8です(7寄りの8)。
そして、漱石その人は、おそらくタイプ5で間違いないと思われます(6寄りの5)。
さらにこちらの本能の違いの方が、日常生活上の夫婦関係にとってはより重要なのですが、
鏡子夫人は自己保存本能優勢型で、漱石は社会本能優勢型だと思われます。
つまり、鏡子夫人はタイプ8の自己保存型、漱石はタイプ5のソーシャル型と呼ばれる性格なのです。
もっと悪いことに、諸々のエピソードから察するに、漱石は自己保存が盲点で、鏡子夫人はソーシャル盲点だろうと見当のつく事です。
自分の優勢本能が盲点の相手は、そのテーマに関して酷くダメな人、子供じみた愚鈍な人、劣った人に見えて、
ジャッジや軽蔑の対象になるのは皆さん想像が付くだろうと思います。
ではこれらの持って生まれた性格タイプの違いが、夫婦間に一体どんな葛藤を生み出すのかというと。
鏡子夫人の性格タイプは、
地声が大きく、相手に届くまでしっかり、はっきり物を言うタイプ。
相手がホンネで言っているのか、忖度で言っているのか、常に見極めようとします。
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ストレス下では強引で、支配的で、威圧的な圧力を感じさせてしまいます。
一方の漱石の性格タイプはというと、
冷静な話し方をし、得意な専門分野について話させると饒舌で、
微細を極め、(相手が無理解だと)時に激昂したり、
冷酷な扱いをしがちで、元来世間話、お天気話の類いは苦手です。
(鏡子夫人の思い出の記述にあるように)ふだんは落ち着いていて、穏やかで、理性的に振る舞います。
ストレス下では、突然無口になり、引きこもって、独りになりたがり、人を見下す攻撃的な傾向があります。
漱石のタイプが最も嫌うのが、人から干渉されること!
一方の鏡子さんは、何事にも手応えのある関係が好きで、ちょっとオーバーにいうとケンカが前戯のような、濃いコミュニケーションが大好きなタイプです。
夫婦の性格が水と油で、鏡子夫人の思い出には、新婚早々に、夫から通告されたり、釘を刺されたり、日常生活の中での夫婦の濃いコミュニケーションをすっかり諦めてしまった記述が随所に出てきます。
こちらのタイプも、相手にコントロールされるのを極端に嫌がります。
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鏡子さんタイプは、本能的直感に優れるので、反応が早く、経験に裏打ちされた考えや感情がはっきり明確で、批判を恐れません。
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そうでなければ互いに愛想尽かしをしてとっくに別れていたでしょうし、7人の子供をもうけたりはしなかったでしょう。
鏡子夫人「悪妻説」はタイプ8の存在を知らない人達が、自己のタイプからの勝手な二重の投影から断罪した浅薄な人間理解の結果だというのが私の結論になります。
二重の投影というのは、漱石に理想の父親像を見、鏡子夫人に母親の否定面を転移した可能性が高いと思われるからです。
あるいは西洋かぶれの「ソクラテスの妻」の悪用に過ぎません。
最後に鏡子夫人の「漱石の思い出」から感動的な箇所を引用してみましょう。
「私が不貞をしたとか何とかいうのではなく、いわば私に落ち度はないのです。
なるほど私一人が実家へ帰ったら、私一人はそれで安全かもしれません。
しかし子供や主人はどうなるのです。
病気ときまれば、そばにおって及ばずながら看護するのが妻の役目ではありませんか。」
これは漱石のノイローゼによる暴力が酷かった頃、母親が心配して実家に戻るよう諭す手紙への鏡子の返事なのです。
もう一つ、これは倫敦滞在中の漱石の恋文を掲げて了とします。
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おれの様な不人情なものでも頻りにお前が恋しい
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